【スタッフ実体験コラム】【第三部・完結:こどもと栄養編】
「子どもも、貧血だった」
自分の体験が、子育ての見え方を変えた話。【完結】
「自分が貧血なら、子どもは?」
👩 子どもの採血 思わぬ結果、そして気づき
子どもにも同じように採血をしてみることにしました。「もしかしたら・・・」という気持ちで。
案の定結果は、私と同様にフェリチンやその他の栄養素の値が低かったのです。
子どもは小さいころから、気持ちの波が大きい子でした。癇癪が起きやすく、不安が強い、こだわりが強い。育てる中で「どうしてこんなに大変なんだろう」と感じることも正直ありました。
栄養療法を始めてから、少しずつ変化を感じるようになりました。気持ちの波が落ち着いてきた、コミュニケーションがとりやすくなった。幼いころに感じていた育てにくさの一因は、もしかしたら栄養状態にあったのかもしれないと、今は思っています。
もちろんこれは私個人の体験です。でも「もっと早く知っていたら」という気持ちは、子どもに対しても同じようにありました。
鉄不足と子どもの情緒・行動の関係|院長より
このスタッフの体験を聞いて、院長の川﨑より補足があります。
👩⚕️ 院長より
鉄と子どもの情緒・行動の関係については、複数のPubMed掲載論文で示されています。
鉄欠乏のある子どもは不安・抑うつが増加し、社会的な問題や注意の問題が見られやすいことが報告されています※1。また台湾で行われた大規模な人口研究では、鉄欠乏性貧血のある子ども・青少年は、そうでない子どもと比べて不安障害のリスクが約2.2倍、ADHDのリスクが約1.7倍高かったことが示されています※2。
鉄は脳内の神経伝達物質(ドーパミン・セロトニン・ノルアドレナリン)の合成に深く関わっており、不足すると感情の調節や集中力に影響が出ることが、動物実験・臨床研究の両面から確認されています。
「うちの子、なんだか育てにくい」「癇癪が強い」「不安が強い」と感じているご家族がいたら、一度栄養状態を確認してみることを、私は選択肢のひとつとしてお伝えしたいと思っています。すべての原因が栄養にあるわけではありませんが、確認してみる価値は十分にあります。
※ 本コラムで紹介している研究は、鉄欠乏と行動・情緒の関連を示すものです。個別の診断や治療については、必ず医師にご相談ください。
成長期の子どもと栄養
成長期の子どもは、大人以上に鉄・亜鉛・タンパク質などの栄養素を必要としています。以下のような状況では、特に不足が生じやすいと言われています。
・食が細い、偏食がある
・激しいスポーツをしている(特に女の子は生理が始まると鉄の消費が増える)
・給食以外の食事が偏っている
・成長期に体重を気にして食事を制限している
「健康診断で異常なし」でも、フェリチンなど詳細な栄養状態は確認されていないことがほとんどです。気になる場合は一度詳しく調べてみることをおすすめします。
当院では、お子さまの栄養解析も行っています。「うちの子、なんだか気になることがある」「食事に気をつけているつもりだけど足りているか心配」という親御さんのご相談も承っています。
3回のコラムをを通じて、伝えたかったこと
10代のニキビから始まり、アトピー、ダイエットのループ、40代の抜け毛やくすみ、そして子どもの栄養まで。長い時間をかけて、ようやく「原因」にたどり着きました。
「体質だから」「年齢のせいだから」と諦める前に、一度自分の体の状態を数値で確認してみてください。わかることが、変化の始まりになります。
私自身がそうだったように、「まさか自分が」と思っている方にこそ、届いてほしい話です。
3回にわたってお読みいただき、ありがとうございました。
「まさか自分が」と思っているあなたへ。 その不調、一度詳しく調べてみませんか。
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参考文献
※1 Lozoff B, et al. “Iron and Mechanisms of Emotional Behavior.” Journal of Nutritional Biochemistry, Vol.26, Issue 1, 2015. (PMC: PMC4253901)
※2 Chen MH, et al. “Association between psychiatric disorders and iron deficiency anemia among children and adolescents: a nationwide population-based study.” BMC Psychiatry, 13:161, 2013. (PMID: 23735056)
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